2005年7月3日号

石油を産出しながら大量に消費する国


 ↑ 住宅街にある石油掘削機「グラス ホッパー」

家から南へ7㎞の住宅街で石油を掘る機械を目にすることができます。キリンの二倍以上の大きな機械が首を上下に動かし続けるさまを初めて目にしたときには感動しました。地元の人たちは写真の型の石油掘削機をグラスホッパー(草むらをはね回るバッタ)とよんでいます。
この写真はショッピングモールの駐車場から写したものです。トイズらスというおもちゃ屋や映画館など、多くの人が集まる場所のすぐ横で石油が掘られているのです。
産油国といえば、中近東諸国を思い浮かべる人が多いのですが、アラスカやテキサスの油田など豊かな化石資源地帯をもつ米国は今でも世界のトップテンに入る原油生産国です。LAからサンフランシスコに北上する海岸線では、海底石油を掘る大掛かりな施設を間近に見ることができます。第二次世界大戦直前の日本の石油輸入量の四分の三を米国が占めていたほどです。
しかし、今では住宅街で石油を掘っても足りないほど多くの石油を消費するアメリカは、産油国でありながら石油輸入国でもあります。部屋ごとではなく家全体を暖めたり冷やしたりするセントラル空調システムが主流ですし、冷蔵庫や洗濯機も大型で電気消費量が大きいので、発電のためにたくさんの石油を使っています。
広大なLAの街にくもの巣のように伸びた高速道路は大型車でうめつくされていますし、LAX国際空港のほかに熊本空港サイズの飛行場が6個所あり、物や人の移動にガソリンをまきちらしている状態です。
マクドナルドの食器のように石油から作られるプラスチック製品の使い捨てが当たり前で、分別ごみのリサイクルはあまり行われていません。
米国全体でみれば、世界の約二十分の一の人口が世界の産油量の四分の一を消費していることになります。このような石油の生産と消費のアンバランスがイラクへの出兵にも関係しています。

 

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