2006年1月22日号

安全のための不自由


 ↑ スクールバス

LAの小中学生と熊本の子供たちのくらしぶりの大きなちがいは登下校の風景にあります。LAの平均的な公立小学校では毎朝、教室のドアの前まで保護者がつきそって教師を待つように義務付けられています。中学校には子供を車でドロップオフ(送り)とピックアップ(迎むかえ)をするドライブスルーの場所があります。
車での送り迎えは、熊本のみなさんにとってうらやましいことかもしれませんが、実はこれは過保護というより、児童の安全を守るための管理の一つです。
日本でなら『小さいのにエライねぇ。』と、ほめられるお手伝いの買い物や、小学生の兄弟だけでの留守番も、LAでは保護者の「監督が不十分だ」と、罪になります。
(離婚が多いので、保護者=親ではなく、ペアレンツ(親)とガーディアン(保護者)を区別しています。)
 
教師の就業時間以外の子供の安全は保護者の責任ですので、地域のスポーツクラブやおけいこごとへも保護者が個人的に車で連れて行くことになります。
地域によって1~2年のちがいはありますが、おおむね16歳以下の子供は保護者の監督のもとに置かれ、日本の子供のような行動の自由はありません。
ハイスクールになると学校のクラブ活動がありますが、入部テストを受けられるのは成績の評価基準をパスし、保護者の許可を得た生徒だけです。テストの成績が下がると試合に出してもらえないとか、キックアウト(退部)のぺナルティーに同意した上での参加です。

LAは今も移民の子供がふえつづけているのですから、子供をちやほや甘やかしていたら厳しい自由競争社会で生き残れない大人を作ってしまいます。『自由な社会』というのは、チャンスが平等に与えられるというだけのことで、成績や結果は『自分の責任』という世の中のことです。
日本とはちがって、義務教育の公立の学校からでも留年者や退学者がたくさん出ます。息子の学校では、生徒が教師に“くちごたえ”することもジャージー姿の教師も目にしたことはなく、年齢にふさわしい『自己責任』や『権利と義務』の大切さが指導されました。

 

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